サブプライム住宅ローン危機

サブプライムローンってなんだかよく分からない。ローンの仕組は?何が問題なの?どういう風に私たちの生活に影響しているの?そんなサブプライムローンの色々な疑問を解決します!

サブプライム住宅ローン危機

サブプライム住宅ローン危機とは

サブプライム住宅ローン危機は、アメリカ合衆国にて現在進行中の不動産危機および金融危機のことを言います。住宅ローンの弁済金滞納とこれによる抵当物件差し押さえが劇的に増加したことが引き金となったもので、世界中の銀行および金融市場が深刻な悪影響を受けています。近年米国のサブプライム層に貸し出された住宅ローンのうち、およそ80%が変動金利型でした。米国の住宅価格が2006年中盤にピークを迎えた後に急速に値崩れを始めた中、ローンノ借り換えは前よりも難しくなりました。そんな中、変動金利型ローンの金利は切り上げられたので、弁済金の滞納が増加しました。サブプライム住宅ローンの債権を組み込んだ証券を所有していた金融機関は種類も数も多数に上りましたが、こうした証券はその価値のほとんどを失いました。この結果、多くの銀行や政府系企業が資本の大幅な毀損を被り、世界的な信用収縮が起こるまでに至ったのです。

背景と事件の経緯

危機の直接原因もしくは引き金は、概ね2005年~2006年頃にピークを迎えた米国の住宅バブルがはじけたことでした。以後サブプライムローンと変動金利型住宅ローンの債務不履行が急速に増加しました。ローンの初期弁済額を低く抑えるといった借り手刺激策や、長期的な住宅価格上昇トレンドから、借り手は多少無理のあるローンでもすぐにより良い条件で借り換えられると信じて手を出しました。しかし、2006年~2007年にかけて金利が上昇し住宅価格が緩やかに下落し始めると、米国の多くの地域ではローンの借り換えが前より難しくなりました。月々の返済額が安い初期優遇期間の満了、思うように上昇しない住宅価格、および変動金利型住宅ローンの金利が上がったことなどから、債務不履行や抵当物件の差し押さえが劇的に増加する事態となりました。住宅価格の下落によって、ローン金額よりも住宅価値の方が低いという状況が生まれてしまい、これも借り手側が差し押さえを選ぶ金銭的な動機に繋がりました。米国で2006年終盤から顕在化したこの差し押さえの蔓延は、世界的な経済危機の主な原因の一つであり続けています。なぜならこれは消費者の富を吸い上げると共に金融機関の体力を着実に破壊するからです。

住宅バブルと信用バブル

危機に至るまでの何年かに渡り、急成長しつつあるアジア諸国や産油国から巨額の外資が米国に流入してきました。この資金流入は、2002年~2004年頃の米国の低金利と相まって融資条件を大いに緩和し、住宅バブルと信用バブルの両方に油を注ぐ形となりました。様々な種類のローンが簡単に組めるようになり、消費者は空前の債務を負うこととなったのです。住宅バブルや信用バブルの一部として不動産担保証券と呼ばれる金融商品の契約高が非常に増えました。これは住宅ローンの弁済金と住宅価格を価値の裏付けとする証券でした。こうした金融革新によって、世界中の企業や投資家が米国の住宅市場に投資できるようになりました。住宅価格が下落すると、大量の資金を借りてサブプライムMBSに大きく投資していた世界的な大手金融機関が巨額の損失を計上しました。住宅市場の危機が他の経済分野に波及するにつれて、他のローンでも債務不履行や損失が目立て増加しました。全世界の損失額は何兆ドルもの規模と推計されています。ジュウタクバブルと信用バブルが形成されつつあった傍らで、様々な要因から金融システムは脆弱さを増していきます。政策立案者は投資銀行やヘッジファンドといった金融機関が果たすようになった役割の重要性を認識していませんでした。一部の専門家はこれらの期間は米国経済への信用供与という点から見て商業銀行にも匹敵する重要さを持つに至ったと信じていますが、商業銀行のような法規制下にはありません。これらの投資銀行やヘッジファンドなど、および一部の正規の銀行は、前述したようなローンの原資とするために自らも莫大な資金を借り入れており、発生した大量の債務不履行や不動産担保証券による損失を吸収できるほふぉの財務的な余裕がありませんでした。これらの損失は金融機関の融資能力を直撃し、経済活動を鈍化させました。中核的な金融機関の安定性が疑われたことから中央銀行も対応を迫られ、融資の促進と企業の重要な資金調達源であるコマーシャルペーパー市場の信頼回復のために資金を供与しました。各国政府はまた更なる財政的な介入として中核的な金融機関に公的資金注入をも行いました。

証券市場に及ぼした影響
住宅市場の落ち込みとそれに続いた金融市場の危機によって、経済全般がリスクに晒され、これは世界中の中央銀行による政策金利の引き下げや政府による景気刺激策の発動を呼んだ主たる要因となりました。この危機が世界の証券市場に及ぼした影響は計り知れません。2008年1月1日から同年10月11日にかけて、米国企業の株主は8兆ドルの損失を被り、時価総額は20兆ドルから12兆ドルに減少しました。他国での損失は平均約40%です。証券市場における損失と住宅価格の下落は、経済の牽引役である消費を一層押し下げる圧力となります。先進国と発展途上国の指導者は、この危機への対抗戦略を見出すために2008年11月と2009年3月に会合を開きました。様々な解決策が政府や中央銀行、経済学者、実業家などから提案されていますが、未だ危機を生んだ根本原因の多くは解決されていません。

住宅ローン市場

サブプライム層の借り手は、典型的には信用履歴と弁済能力に問題があります。サブプライムローンはプライム層顧客へのローンに比べて債務不履行に陥るリスクが高いことは何度も述べてきました。もし借り手が期限までに弁済を履行できなければ、貸しては物件の所有権を得ることができ、この手続きを差し押さえと呼びます。米国におけるサブプライム住宅ローンの残高は、2007年3月現在1兆3千億ドルだったと推計されており、抵当物件数で750万件を超えるサブプライム住宅ローンが組まれていました。2004年~2006年ではサブプライム住宅ローンが全体に占めるシェアは18%~21%でありm対して2001年~2003年と2007年では10%に満たない程度でした。2007年の第3四半期では、サブプライム層向け変動金利型住宅ローンは米国の住宅ローン中で6.8%を占めるに過ぎなかったのですが、この四半期中に生じた差し押さえ件数では43%を占めました。2007年10月において、サブプライム層向け変動金利型住宅ローンのおおよそ16%は弁済が90日以上滞納されているかまたは差し押さえ手続きが始まっており、これは2005年における同比率のおおむね3倍に相当する数字でした。2008年1月にはこの滞納比率は21%、2008年5月には25%にまで上昇しています。米国の世帯が負った4人家族向けまでの住宅購入用ローンの総額は、2006年末には9兆9千億ドルであり、2008年半ばでは10兆6千億ドルでした。2007年において、貸し手は130万件近い物件について差し押さえ手続きを開始しましたが、これは2006年に比べると79%増でした。これは2008年には230万件、すなわち対2007年比で言うと81%増に及び、更に2009年には280万件、対2008年比21%増にまでなりました。2008年8月現在、米国の住宅ローン全ての内9.2%が滞納または差し押さえ状態にありました。2009年9月現在、この比率は14.4%の上昇していました。2007年8月~2008年10月の間に米国全体で936,439件の住宅が差し押さえ手続きを完了しています。差し押さえは件数と申請比率の両方で一部の州に集中しています。2008年に発生した差し押さえ申請件数の74%が10州に集中しており、上位2州(カリフォルニアとフロリダ)だけで41%を構成しています。9つの州は全米世帯の平均差し押さえ比率1.84%を上回りました。